<自動車販売業>就業規則の整備、スキャンツールの導入により助成金を利用した例

勤務間インターバル制度導入に伴う就業規則の整備、自動車整備業務効率化のためスキャンツール導入による時間外労働等改善助成金を受給

1.ご依頼までの状況

こちらの会社では、自動車整備業務の効率化と従業員の労働環境の改善を検討中でした。近年の自動車整備業務においては、故障の検知や整備効率化のため、故障診断機(スキャンツール)の導入が必要不可欠ともいえる状況になりつつあります。

実際、国土交通省でも2013年度から、スキャンツール導入促進のため、購入経費の一部を補助する制度を開始しています。こうした整備業務の効率化に加え、自動車販売業界の場合、他の業界と比べ特に従業員の確保とその後の定着は悩みの種の一つであり、良質な労働環境を提供するための制度作りが急務でもあります。

社会保険労務士事務所は、こうした自動車販売業特有の労務管理にも精通しています。そこで今回は、これらの問題点の解消に向け自動車整備業務へスキャンツールを新規導入するとともに、有給休暇や労働時間の定義など職場ルールの明確化と、従業員の健康管理推進のため、厚生労働省が推奨している、勤務間インターバル制度を新規で導入することに決めました。

これに伴い、利用できる助成金をリサーチし、時間外労働等改善助成金の勤務間インターバル導入コースをご提案させていただき、利用することになりました。

 

2.ご依頼からの状況

2-1 時間外労働等改善助成金事前計画書等の作成サポート

時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)は、事前に有効期間を定めた一定の計画書を提出する必要があります。また、時間外労働等改善助成金は、今回の勤務間インターバル導入コースを含めいくつかのコースが用意されているため、労働時間の見直しや年次有給休暇の効率的な消化等、従業員の労働環境を今後どのように改善していくのかを体系的に考えていく必要があります。

今回は、現在働いている全ての従業員に対し、残業時間を含めた労働時間や有給休暇の効率的な取得、安全衛生面での健康確保を目的としていたため、勤務間インターバル導入コースを選択し、トータルで3か月の計画書を作成することにしました。

出来上がった事前計画書は、計画を実行する1か月前を目途に管轄の労働局へ提出する必要があるため、計画実行をいつ行うかを確認し、期限に間に合うよう提出しました。

2-2 時間外労働等改善助成金計画実行期間中のサポート

今回の計画では、自動車整備業務の労働時間改善に効果があるスキャンツールの導入、インターバル制度導入にともなう全社員参加の会議などを行う必要があったため、それぞれの実施時期が近づいた際あらためて連絡を行い、適切に各事業を実施していただけるよう内容などを確認しました。

こちらの会社では、事業主自らがインターバル制度導入の説明を行う予定であったため、従業員向け制度説明資料の準備を行うとともに、勤務間インターバル制度導入の基本となる就業規則の作成を行いました。出来上がった就業規則は、会社の月次ミーティングを通じて従業員への周知を行い、合わせてインターバル制度導入の周知も行っていただきました。

2-3 時間外労働等改善助成金支給申請書作成のサポート

時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)の支給申請は、実際の事業計画の実施を終えてから1か月以内、または2月15日のいずれか早い日までに、支給申請書類一式を提出することが必要になります。

また、時間外労働等改善助成金を含め多くの助成金が、実際に支給申請を行う際、所定の申請書類の他、就業規則や計画実施に伴う費用の支出関係を証明する書類など添付資料と呼ばれるものを提出する必要があります。

そのため、添付資料の全てが労働法規や計画実行時期などと照らし合わせて問題がないか、ひとつひとつ細かく確認していく必要があります。

社会保険労務士事務所は、こうした細かな実務手続きを確実に行い助成金が速やかに支給されるよう、専門知識をフルに駆使し、申請作業を進めていきます。当事務所では、計画実行段階にいただいていた一部の資料を含め、最終的にあらためて全ての申請書類一式を確認し、所定の申請期間に間に合うよう、労働局へ提出しました。

3.審査結果

時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)の支給申請書類一式を提出してから約2か月後に、無事、時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)支給決定通知書が会社に届き、約40万円の受給につながりました。

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