2021年の最低賃金について(社会保険労務士法人SOUMUニュースレター2021年9月号)

9月度のニュースレターになります。

今月号は、2021年の最低賃金についての特集をしています。2021年7月14日の中央最低賃金審議会に於いて、2021年度の最低賃金の引き上げ額が全国平均で28円、全国平均の時給額は930円となることが決定しました。前年比28円の引き上げ幅は現行表示方式になってから過去最大で、上げ幅3.1%と新型コロナウィルスの影響により通常の営業活動もままならない中小企業に対して、強い衝撃を与えたのではないかと思います。

その年の最低賃金額決定までのプロセスは、公益代表、労働者代表、使用者代表の各同数の委員で構成される最低賃金審議会において、賃金の実態調査結果など各種統計資料を十分に参考にしながら審議を行い決定することになっています。また最低賃金審議会という組織は、厚生労働省に設置される中央最低賃金審議会と各都道府県労働局に設置される地方最低賃金審議会の2つがあります。

具体的には、毎年7月下旬に中央最低賃金審議会が目安額を厚生労働大臣に答申し、その後その額を参考として、各地方最低賃金審議会が各都道府県にある労働局へ答申を行い決定されます。また地域別最低賃金は、全国的な整合性を図るため、毎年、中央最低賃金審議会から地方最低賃金審議会に対し、金額改定のための引上げ額の目安が提示され、地方最低賃金審議会では、その目安を参考にしながら地域の実情に応じた地域別最低賃金額改正のための審議を行っています。

参考までに昨年度の栃木県の場合、7月初旬から3回審議が行われ、労働者側から意見陳述がなされたものの、最終的には8月21日の第4回栃木地方最低賃金審議会にて当初案通り、令和2年10月1日からの最低賃金額が決定しています。こちらの審議会ですが、募集枠8名程度とかなり少ないのですが抽選で傍聴も可能なため、ご興味のある方は一度覗いてみるのも良いのかもしれません。

また最低賃金額については、都道府県毎に定められている地域別最低賃金と、特定の産業ごとに設定される特定(産業別)最低賃金の2種類が存在します。一般的なイメージとしては、最低賃金というと地域別最低賃金のことを指すことが多いのですが、特定(産業別)最低賃金については、特定産業の使用者と労働者が地域別最低賃金よりも高い水準で最低賃金を定めることが必要と認めた場合に設定されます。ちなみに2021年1月現在で栃木県では、塗料、汎用・生産用等の一般機械、計量・測定・光学等の電気機械、自動車・付属品製造業、電子部品・デバイス・情報通信機械、各種商品小売業の6種類が設定されています。

こちらの特集の他、顧問先の皆様には完全版でお届けをさせていただいております。

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