業務委託契約で特に気をつけたいポイント(社会保険労務士法人SOUMUニュースレター2021年8月号)

8月度のニュースレターになります。

今月号は、業務委託契約で特に気をつけたいポイントについての特集をしています。企業が一定の業務やプロジェクトを遂行するために人を使う場合、様々な契約形態が考えられます。現在、考えられる形態としては、①労働契約、②業務委託(請負)契約、③労働者派遣契約、④出向・転籍契約があります。この中で➀の労働契約以外については、自社の労働者でなく、業務請負会社、派遣会社、関連・子会社など自社組織以外の労働者を受け入れるという点で共通しています。

今回の特集で取り上げている業務委託(業務を受注する側からみると業務請負)契約については、かつて労災・雇用保険加入や社会保険料の負担を嫌う企業によって、脱法行為に近いグレーな運用をしていたことが社会問題となり、良いイメージを持っていない方も少なくないと思います。

しかしながら、最近ではUber Eatsの配達員やWebデザイナーなどのいわゆるギグワーカーと呼ばれる働き方が首都圏を中心に注目されています。以前少し紹介させていただいた国による副業の推奨と合わせ、こうした自由で裁量のある働き方が、少しずつ市民権を獲得していくことが予想されます。少し専門的な話しになりますが、こうしたギグワーカーと呼ばれる方の業務を、アルバイト・パートなど一般の方が会社と雇用契約を交わし行っている場合には、労災保険に加入することになるため、業務中に事故等に遭った場合も不安なく保険給付の恩恵に与ることができます。

現実的には、今後ギグワーカーは独立した個人事業主とした扱われることが主流となりそうです。そうした背景を踏まえ、厚生労働省ではウーバーイーツなどで働く料理配達員と呼ばれる人を労災保険の特別加入の対象とする方向で制度設計の調整に入りました。ネットで都度の仕事を受託するギグワーカーに対し、セーフティーネットを整備していく動きは海外でも相次いでおり、今後は企業としても戦略的に業務委託契約と雇用契約を適切に使い分けていく必要があると考えられます。

こちらの特集の他、顧問先の皆様には完全版でお届けをさせていただいております。

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