社会保険料算定基礎届の注意点(ニュースレター2020年7月号)

7月度のニュースレターになります。

今月号は、「社会保険料算定基礎届の注意点について」の特集をしています。
新型コロナウィルスの影響による休業で著しく給与が下がった場合における社会保険標準報酬月額の
特例改定のご案内です。

『標準報酬月額の特例改定について』
新型コロナウィルスの影響により休業した会社の社会保険加入者で、休業により給与・報酬が著しく下がった場合は、
事業主からの届出により、毎月の社会保険料算出の際使用する標準報酬月額を、通常の随時改定(給与等の変更開始月から4か月目に行われる改定)によらず、特例により給与等の変更開始の翌月から改定可能となりました。

今回実施される標準報酬月額の特例改定は、次の3つの条件を全て満たす場合に行うことが可能です。

①新型コロナウイルスの影響による休業で、報酬が下がっていること(令和2年4月から7月までの間が対象)

②対象月の報酬が、現在の標準報酬月額と比較して2等級以上低下していること
(基本給や、時給などの固定給が変わっていなくても可能です。)

③標準報酬月額を減額変更することに伴い、将来受け取る年金額や傷病手当金の額が下がることについて、本人が同意していること。

ここで、社会保険料の変更(改定)方法について少しおさらいしておきます。
毎月の給与等から控除される社会保険料の金額は、まず入社時に残業代等の見込みなども含めて決めることになっています。
その後原則年1回、4月から6月の実際支払われた給与額の報告(算定基礎届)に基づいて、毎年9月分の保険料から見直しが行われます。

ところで、時給や日給の場合は毎月の出勤時間・日数で総支給額は変わりますし、月給の場合でも残業代の増減で総支給額は変わりますが社会保険料の負担額は一定で変わりません。
また、給与等から引かれる保険料として他に雇用保険料がありますが、こちらは毎月の総支給額に連動するため、負担額がタイムリーに増減します。

では、一度決められた社会保険料は年1回の決められた時期以外に変えることが出来ないのでしょうか? 答えは、条件付きでNOです。
下記の条件を全て満たした場合は、月にかかわらず社会保険料の変更が可能です。

➊昇給・降給で固定賃金(基本給、その他固定の手当)が変更されたこと

➋変更月以降3か月間に支払われた給与等(残業代等全て含む。)の月平均に基づく標準報酬月額が、現状の標準報酬月額と比較し2等級以上差が生じていること

➌変更月以降3か月間とも、17日以上勤務実績があること

このような条件を全て満たした場合、一定の届出(月額変更届)を年金事務所に行うことによって、社会保険料の変更が可能となります。
このため、コロナウィルスの影響による休業のように、急に給与額が下がった場合等にも機動的に保険料を減額変更することが出来ず、非常に使いづらい制度ともとれます。

こうした通常の月額変更の弱点をカバーするため、今回の標準報酬月額の特例改定制度が設けられたのですが、会社側から見て今回ご紹介する特例改定の最大のメリットは、
➀固定賃金の変更でなくても良いこと、➁1か月の変更実績で良いことです。
逆にデメリットとしては、本人の同意が必要なため、保険料を削減したい会社が一方的に届出を行うことができないこと、が挙げられます。

※最短で5月分社会保険料から減額出来ますが、社会保険料の差額計算・年末調整計算にも
影響が出ますので特例月額改定の実施は慎重にご検討頂ければ幸いです。
〈特例月額改定は、任意の制度です。実施の義務はありません。〉

こちらの特集の他、顧問先の皆様には完全版でお届けをさせていただいております。

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